冬の坂道。
アクセルを踏んでもタイヤが空回りし、前に進まない。
さらにブレーキを離すと、今度は車がゆっくり後ろへ滑り出す——。
そんな“凍結坂道の立ち往生”は、雪道トラブルの中でも最も危険な状況のひとつです。
焦ってアクセルを踏みすぎると、タイヤが余計に掘れてしまい、脱出はさらに困難に。
そして滑ったまま他車に接触する事故も少なくありません。
まずは慌てず、「安全確保」→「原因確認」→「脱出」の順で行動することが大切です。
まずは周囲の安全を確保する
立ち往生したとき、最初にすべきことは車を動かすことではなく、周囲を守ること。
✅ やるべきこと
-
ハザードランプを点灯
-
サイドブレーキをしっかり引く(車が後退しないように)
-
車外に出る場合は、後続車に注意しながら三角表示板を設置
-
同乗者がいる場合は、安全な場所に避難
🚨 特に夜間や吹雪のときは、自車の位置を示すことが最優先です。
「動かそう」と焦る前に、見えるようにすることが命を守ります。
タイヤの空転を止める
タイヤが滑って空転すると、雪が圧縮されて氷のように固まり、さらにグリップを失います。
空転状態を続けると、タイヤの溝に雪が詰まり、「タイヤが滑る→掘れる→進まない」という悪循環に陥ります。
✅ 空転を止める手順
-
エンジンを一度切り、落ち着く
-
シフトを「P(AT車)」または「1速(MT車)」に入れて固定
-
周囲の雪をスコップや靴で軽く掻き出す
-
タイヤの前後に砂・タオル・段ボール・布マットなどを敷く
💡 タイヤの前後に「滑り止め材」を置くだけでも効果あり。
100円ショップの簡易スノーヘルパーも冬の車載アイテムとしておすすめです。
発進は“ゆっくり・小刻みに”
脱出の鍵は、アクセルを踏みすぎないこと。
強く踏むとタイヤが再び空転し、同じ場所でツルツル滑ります。
✅ 正しい発進のコツ
-
シフトを「2速発進(AT車ならスノーモード)」に設定
-
アクセルをじわっと1/4ほど踏み込む
-
タイヤが回転し始めたら、軽く戻してグリップを感じる
-
少しでも動いたら止めずに、そのまま一定のスピードで登りきる
🚗 ポイント:
発進→停止を繰り返すより、小刻みに進み続ける方が安定します。
進めない場合は無理せず、再びタイヤ周辺の雪を除去しましょう。
無理なら“下がって助走”も有効
少し後退できる余裕があれば、安全な範囲で少し下がって助走をつけるのも方法です。
ただし、後続車や障害物がないことを必ず確認してから行いましょう。
🧊 ポイント:
「助走」はあくまで低速で。スピードを出しすぎると再び滑る。
タイヤが空転する前にアクセルを戻す。
助走をつけても登れない場合は、引き返す勇気も大切。
どうしても抜け出せない場合は救援を呼ぶ
自力での脱出が難しいと判断したら、無理をせずJAFやロードサービスに連絡しましょう。
特に氷点下の環境では、長時間車内に留まると低体温症の危険もあります。
🚨 連絡時のポイント:
現在地(道路名・近くの標識)を正確に伝える
同乗者の人数・車種・状況を簡潔に説明
エンジンをかけっぱなしにせず、30分に1回換気
まとめ:焦らず、冷静な判断が一番の“脱出法”
凍結した坂道で立ち往生したとき、**最も危険なのは「焦り」**です。
無理にアクセルを踏んでも前には進まず、状況を悪化させてしまいます。
🚗 覚えておきたい流れ:
周囲の安全を確保する
タイヤの空転を止める
ゆっくり小刻みに発進
助走もダメなら、すぐに救援を
“冷静に動く人”ほど、冬道では安全に脱出できます。
そして何より、立ち往生しない運転計画(早めの出発・装備確認)が最強の予防策です。

