「駐車場で他の車にぶつけてしまった…でも誰も見てないし、ちょっとだけだから黙って出よう」
そんな“軽い気持ち”で立ち去ったとしたら、それは立派な「当て逃げ」=交通事故による“ひき逃げ・物損逃げ”に相当する重大な違反です。
しかも、駐車場のような私有地であっても警察への通報義務はあることをご存知でしょうか?
この記事では、
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「当て逃げ」の定義と適用される法律
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私有地であっても“道路扱い”になる理由
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警察通報しなかった場合のリスクと罰則
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もし当ててしまった・当て逃げされたときの対応方法
をわかりやすく解説します。
「当て逃げ」とは?どんな行為が違反になるのか
当て逃げとは、車をぶつけてしまったにもかかわらず、その場から立ち去る行為のこと。
法律上は「交通事故の報告義務違反(道路交通法第72条)」に該当し、物損事故であっても立派な違反行為です。
たとえ相手がいなくても、
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他人の車に擦った
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バンパーを凹ませた
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サイドミラーを当てた
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駐輪場のバイクを倒した
こうした場合はすべて警察に報告が必要です。
「でもここって道路じゃないから関係ないのでは?」
ここで多くの人が誤解しがちなのが「駐車場は私有地だから道路交通法は関係ない」という点です。
実は、駐車場の多くは“道路”扱いになる
道路交通法における「道路」は、以下のように定義されています:
「一般交通の用に供するその他の場所」も含まれる(道路交通法第2条1項1号)
つまり、
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商業施設やコンビニの駐車場
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月極駐車場(不特定多数が出入りできる)
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コインパーキング
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病院や駅前のロータリー
これらは「道路と同じ扱い」になり、事故を起こせば交通事故として扱われるのです。
警察に通報しなかったらどうなる?
交通事故の報告義務違反(道路交通法第72条)
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3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金
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「軽くこすっただけ」でも、その場を立ち去れば“当て逃げ”
物損事故でも、事故証明がなければ保険が使えない
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任意保険(対物賠償・車両保険)を使うには警察の事故証明が必要
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「警察に届けなかったから保険が下りない」というケースも多い
駐車監視カメラ・ドラレコが普及している現代ではバレやすい
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商業施設の駐車場はほぼ100%監視カメラあり
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被害者がドライブレコーダーを確認して発覚するケースも多発
→ その場で逃げても、後から発覚するリスクが非常に高いのです。
では、当ててしまったらどうすればいい?
【1】まず車を安全な場所に止める
他の車の妨げにならない場所に移動し、ハザードを出しましょう。
【2】警察に通報(110番)
「駐車場で車にぶつけました」と伝えればOKです。
事故の程度にかかわらず、必ず報告するのが義務です。
【3】可能なら相手を探す
管理人や施設スタッフに伝えてもらう、車に連絡先をメモで残すなど、誠意ある対応が大切。
【4】保険会社にも連絡
対物賠償や車両保険を使う場合は、事故証明がないと保険が使えないため、必ず早めに連絡しましょう。
被害に遭ったときの対応は?
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まずは警察に通報(ナンバー・時間・状況をメモ)
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防犯カメラやドライブレコーダーの映像確認を依頼
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保険会社へ相談(車両保険や無保険車傷害などの適用も考慮)
→ 「当て逃げかも?」と思ったら、まず警察へ相談が基本です。
まとめ:駐車場でも「道路」として扱われる以上、通報は義務
「誰も見ていなかったから」「軽く当たっただけだから」は通用しません。
たとえ私有地であっても、多くの駐車場は道路交通法上の“道路”扱いになります。
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当てたらすぐに警察へ連絡(110番)
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保険を使うためにも事故証明は必須
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誠実な対応が、後のトラブルや責任問題を防ぐカギ
「もし自分の車が当て逃げされたら…」と考えれば、答えは明白。
“その場で立ち去らない”が、ドライバーの最低限のマナーです。