「週末しか乗らない車がある」「家族で共有のセカンドカーをたまに使うだけ」
そんな“たまにしか乗らない車”、実は放置の仕方次第で寿命が大きく変わります。
エンジンがかかるからと安心していると、気づかぬうちにバッテリーが弱り、タイヤが変形し、次に乗ろうとしたときにはトラブル続出…なんてことも。
この記事では、普段あまり乗らない車を快調に保つための管理ポイントを詳しく解説します。
なぜ「乗らないこと」が車にとって良くないのか?
車は“機械”ですが、定期的に動かすことで調子を保つように設計されています。
たとえば人間の筋肉と同じように、まったく動かさないと劣化が早まります。
放置による主なリスク:
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バッテリーの自然放電 → エンジン始動不能
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タイヤの変形 → フラットスポット(偏摩耗)
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エンジンオイルや冷却水の劣化 → 内部トラブル
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ブレーキのサビ → 固着や異音の原因
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カビ・におい → 車内環境の悪化
たとえ屋内保管でも、「乗らない=劣化が進まない」ではないのです。
放置による主な劣化ポイントと対策
1. バッテリーの放電対策
なぜ放電する?
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車は停車中でもセキュリティや時計などで微量の電力を消費しています。
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長期間エンジンをかけないと、自然放電だけでバッテリーが上がることも。
対策
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2週間に1度は15分以上エンジンをかける
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自宅で充電できる場合は、バッテリーメンテナーの導入も有効
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1ヶ月以上乗らない場合はバッテリー端子を外すのも手
2. タイヤの空気圧と変形(フラットスポット)
なぜ変形する?
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重さがずっと1点にかかることで、接地面がつぶれたまま癖がつく
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空気圧が低いまま放置すると、さらに変形しやすくなる
対策
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空気圧を少し高めに調整しておく
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乗らなくても月に1回は空気圧チェックを
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長期放置する場合は、ジャッキアップまたはタイヤの下に板やゴムマットを敷く
3. ブレーキの固着・サビ
放置で何が起きる?
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ブレーキディスクは鉄なので、湿気でサビが出やすい
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サビたまま放置→パッドがくっついて動かなくなる「固着」現象
対策
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たまに短距離でも走行し、ブレーキを動かすこと
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洗車後や雨の日に乗ったら、必ずブレーキを乾かすような走行を
4. エンジンオイル・冷却水の劣化
なぜ動かさなくても劣化する?
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オイルは時間とともに酸化・沈殿が起きる
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冷却水(LLC)も長期間放置で成分が変質
対策
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走らなくてもエンジンを定期的にかけること
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年1回は走行距離にかかわらずオイル交換推奨
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2年に1回程度は冷却水も点検・交換を
5. 車内のにおい・カビ・劣化防止
放置車両あるある…
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「久しぶりに乗ったらカビ臭い」「窓に結露が…」
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車内に湿気がこもり、エアコンフィルターや内装がダメージを受ける
対策
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窓を少し開けて換気(盗難対策も忘れず)
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除湿剤・車用乾燥剤を設置
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エアコンはたまに外気導入+送風モードで回すのが◎
長期間使わない場合の保管テクニック
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フルカーカバーをかけて日差しを遮断(通気性のよいものを選ぶ)
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室内保管でもホコリ対策・湿気対策は必要
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窓ガラスにサンシェードを装着し、ダッシュボード劣化を防ぐ
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駐車ブレーキを使わず、タイヤ止めで固定するのも有効(ブレーキ固着防止)
忘れがちな“車検・保険”の注意点
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車に乗らなくても、車検・自賠責・任意保険は継続中
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使用頻度が少なくても、車検切れや任意保険の未更新は違法&無保護
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長期間乗らないなら「一時抹消登録」や「使用中止特約」も検討の価値あり
まとめ|“乗らない車”こそ、定期的な手入れで延命できる
車は「動かす前提」で作られています。
乗らない時間が長くなるほど、バッテリー・タイヤ・ブレーキ・車内環境など、さまざまな部位が静かに劣化していきます。
大切なのは「たまにでも乗る」「たまにでも見てあげる」こと。
週に1回のエンジン始動や、月1の空気圧チェックだけでも、次に乗るときの安心感は段違いです。
セカンドカー、通勤用カー、週末ドライブ用カーなど、
どんな車も放っておけば不調の元。
“たまにしか乗らない”からこそ、日常的な小さな気配りが車を長持ちさせます。