街中を走っていると、ときどき見かける「駐車禁止」の標識や、違反ステッカーを貼られた車。
多くの人が「駐車違反」とひとくくりにしがちですが、実は似たような「車庫法違反」というものも存在します。
この2つはどちらも車を止めることに関する違反ですが、根拠となる法律も適用される場面も異なります。
今回は「駐車違反」と「車庫法違反」の違いを、具体例を交えてわかりやすく解説します。
駐車違反とは?
駐車違反は道路交通法に基づく違反行為です。
道路交通法では、駐車や停車が禁止されている場所・時間に車を止めた場合に「駐車違反」となります。
主な例
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駐車禁止標識がある場所に長時間停車
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消防水利(消火栓など)から5m以内
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横断歩道や交差点付近
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バス停付近など
罰則
駐車違反の処分は「反則金」や「違反点数の加算」です。
放置車両違反として確認されると、車の所有者や使用者に放置違反金が請求される場合もあります。
車庫法違反とは?
一方、車庫法違反は**自動車の保管場所の確保等に関する法律(通称:車庫法)**に基づく違反です。
車庫法は、車を保有する人に対して「使用の本拠地から2km以内に車庫(保管場所)を確保すること」を義務づけています。
主な違反例
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車庫証明で届け出た場所以外に長期間保管している
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路上に長時間置きっぱなし
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保管場所を確保せずに車を所有している
罰則
車庫法違反は道路交通法の反則金制度が適用されず、刑事罰(罰金刑)が科されます。
例えば「保管場所を確保せずに車を保有」した場合は、3か月以下の懲役または20万円以下の罰金が定められています。
違いを整理すると…
項目 | 駐車違反 | 車庫法違反 |
---|---|---|
根拠法 | 道路交通法 | 車庫法 |
主な対象 | 一時的・短期的な駐車 | 長期的な保管場所違反 |
例 | 駐車禁止場所に駐車 | 路上に長期間放置 |
処分 | 反則金・違反点数 | 刑事罰(罰金刑など) |
よくある誤解
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「車庫法違反=駐車違反の重いもの」ではない
車庫法違反は保管場所そのものに関する法律違反で、駐車場所のルール違反とは別物です。 -
駐車違反は短時間でも成立
「ちょっとだから大丈夫」と思っても、禁止場所なら違反になる可能性があります。
まとめ
駐車違反と車庫法違反は、同じ「車を止める行為」でも適用される法律も罰則も異なります。
短時間の駐車ルールを守ることも、長期的な保管場所を確保することも、どちらも車を安全に利用するために欠かせないマナーです。
日常の運転では「止める場所」「止める時間」に常に注意して、思わぬ違反を防ぎましょう。