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高速道路の追い越し、何キロまでならOK?「+10キロまでなら大丈夫」は本当?取り締まりの境界線とは

安全運転

高速道路を走っていると、ふと気になるのが「追い越し時のスピード」。
法定速度は守っているつもりでも、「前の車が遅いから…」「流れに合わせて…」と、ついスピードメーターがいつもより上がっていた経験、誰しもあるのではないでしょうか。

特によく聞くのが「10km/hオーバーくらいなら捕まらない」「みんなそれくらい出してる」という言葉。
それ、本当に大丈夫なのでしょうか?

この記事では、高速道路での速度超過にまつわる“常識”を見直し、法律上の基準と実際の取り締まりの現場についてわかりやすく解説していきます。
最後まで読むと、「どこまでが許容されて、どこからが危険ゾーンか」が見えてくるはずです。

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法定速度と制限速度の違い

“出していい速度”と“道路ごとのルール”は違う?

まず基本を確認しておきましょう。
スピードに関するルールには、「法定速度」と「制限速度」があります。

 法定速度とは

道路交通法で定められた、すべての車が守るべき基本の速度のこと。たとえば、

  • 高速道路(自動車専用道路)では
     → 普通乗用車は 時速100km/h

  • 一般道路では
     → 原則として 時速60km/h

と決まっています。

 制限速度とは

標識や道路ごとの状況に応じて個別に設定されている速度です。
たとえば、東名高速の一部区間では制限速度が120km/hに引き上げられている一方、トンネル内や合流地点などでは80km/hに制限されていることもあります。

 基本ルール

制限速度の標識がある場合は、それに従う必要があります。
なければ「法定速度」が適用される、というのがルールです。

追い越し時に+10km/hは本当にOK?

“ちょっとだけ”ならセーフ?その感覚が危ないかも

高速道路で前の車を追い越すとき、
「少しくらいスピードを上げても大丈夫」と思っていませんか?
よく聞くのが、「+10km/hまでは黙認される」説。
しかしこれは、あくまで都市伝説レベルの話であり、法的根拠は一切ありません。

 違反は違反。1km/hオーバーでも対象になる

速度違反は、「何キロオーバーしたか」によって点数や反則金が変わりますが、たとえ1km/hでもオーバーすれば違反です。

現実的には、+10km/h程度でいきなり検挙されるケースは多くはありませんが、それは「見逃されている」だけであって、「許されている」わけではないのです。

 取り締まりの現場ではどう判断されている?

実際の取り締まりでは、速度計の誤差(±3km/h程度)や測定の余裕幅を考慮して、ある程度の“余白”を持たせていることがあります。
ただしこれは警察側の運用上の話であって、ドライバーにとっての“公式な安全圏”ではありません。

 高速道路は特に危険。過信が重大事故につながる

追い越し時に+10〜20km/h程度加速する人も多いですが、そのまま速度を保ったまま走行を続けてしまうと、完全に速度違反となります。
また、速度が上がるほど事故のリスクと被害は大きくなるという点も、見落とせません。

実際に取り締まりを受ける速度の目安

何キロからがアウト?その“ボーダーライン”を知っておく

速度違反には、「反則金が科されるケース」と「刑事罰になるケース」の2段階があります。
ここでは、高速道路における代表的な取締ラインを見てみましょう。

 高速道路(法定速度:100km/h)での違反例

超過速度 違反区分 反則金・点数など
~15km/h未満超過 軽微な速度違反 反則金9,000円(普通車)・1点
15km/h以上~20km/h未満 一般的な速度違反 反則金12,000円・1点
20km/h以上~25km/h未満 やや重めの速度違反 反則金15,000円・2点
30km/h超過以上 刑事罰の対象 出頭義務・罰金(公判送致)・6点

※点数は免許停止の基準に直結します。6点で30日間の免停です。

 「20km/h以上」が一つの境目

多くのケースで、20km/hを超えると「取り締まり対象になりやすい」といわれています。
これは警察がよく取り締まりに用いる「オービス(自動速度取締装置)」や移動式オービスでも、設定速度を100km/h+20km/h(=120km/h)以上にしていることが多いからです。

ただし、「20km/h未満なら安全」ではありません。
検挙されるリスクが低くなるだけで、違反であることには変わりありません

追い越し時の“安全なスピードの上げ方”

スムーズに抜くために、どこまで加速していいの?

高速道路での追い越しは、「速やかに終える」ことが原則です。
とはいえ、加速しすぎて取り締まり対象になっては本末転倒。
ここでは、安全かつ合法的に追い越すための速度管理のポイントを解説します。

 加速しても「法定速度を超えない」が原則

法律上は、追い越しの際も100km/h(制限速度)を超えてはいけません
つまり、前の車が90km/hで走っていたとしても、自分が追い越す際に105km/hや110km/hにしてしまえば、厳密には違反です。

ですが実際には、一時的な加速で105〜110km/h程度なら黙認されているケースが多いのも事実。
もちろんこれは「捕まらない保証」ではありません。

 追い越しは「短時間で終える」が基本

ダラダラと追い越し車線を走るのはNG行為。
できるだけ早く追い抜いて走行車線に戻るのが理想です。

  • 追い越すときは一時的にやや加速

  • 追い越したらスピードを戻し、速やかに左車線へ

  • ずっと追い越し車線にいるのは「通行帯違反」になることも

 こんな加速は危険&違反

以下のような行為は、事故や検挙のリスクが高まるため要注意です。

  • 前車を煽るように急加速して距離を詰める

  • 追い越し後も速度を落とさず、120km/h以上で走り続ける

  • オービス手前で急減速する(後続車への危険)

 

高速道路の速度に関するよくある誤解

「+10km/hまではセーフ」「左車線は80km/hでいい」…それ、間違っているかも?

高速道路では、なんとなく「みんなそうしてるから大丈夫」と思ってしまう場面も多いですが、実際には誤解や都市伝説レベルの話が意外とあります。ここではその代表例を紹介し、正しい認識を整理しておきましょう。

 「制限速度+10km/hまでなら捕まらない」?

これはよく聞く話ですが、法律的には完全にアウトです。

たしかに、速度違反の取り締まりは実際の速度にある程度の“余裕”を持って行われることが多く、「110km/hくらいなら警告で済む」ケースもあります。
しかし、これはあくまで現場の判断であり、見逃されると決まっているわけではありません

つまり…

「10km/hオーバーなら絶対捕まらない」→ ×

本来は1km/hオーバーでも違反として取り締まり可能なのです。

 「追い越しは制限速度を超えてもいい」?

これも誤解です。
追い越し時も、速度制限は適用されます。

よく言われるのが、

「追い越し車線では一時的に120km/hくらいまで出してOK」

という話ですが、一時的でも制限速度を超えれば違反には変わりありません
特にオービス(自動速度取り締まり装置)の前などでは、容赦なく撮影されてしまいます。

 「走行車線(左車線)は80km/hでもOK」?

実はこれも微妙な誤解があります。

高速道路では、制限速度が100km/hであれば、それに満たない速度でずっと走り続けると「通行の妨げ」と判断されることがあります。
とくに、後続車が連なってしまうような場合は注意が必要です。

後続車が明らかに詰まっている → 道交法第27条違反の可能性あり

状況に応じて適切な速度(流れに乗る)を意識するのが大切です。

違反を避けるためにできること

「気づかぬうちに違反していた…」を防ぐには?

高速道路での速度違反は、「悪気はなかったのに」というケースも少なくありません。普段から意識するだけでリスクを減らせるポイントを、いくつかご紹介します。

 クルーズコントロールを活用する

最近の車に多く搭載されている「クルーズコントロール」は、一定の速度で走行する機能。
これをうまく使えば、知らぬ間にスピードが出すぎるリスクを減らせます

特に追い風や下り坂では、自分の感覚以上にスピードが出てしまうことがあるため、機械的な速度管理が有効です。

 流れに合わせつつ“自分の速度”を意識する

「周囲が速いから、自分も速くしなきゃ」と無理に合わせるのは危険です。
周囲の車のスピード感に流されすぎると、気づけば制限を大幅に超えていた…ということも。

流れに乗る=制限速度を守りつつ、周囲と調和する走行

という意識を忘れずに。

 標識・速度表示をこまめにチェック

高速道路では区間によって制限速度が変わることがあります。たとえば…

  • 通常区間:100km/h

  • 工事区間:80km/h

  • 悪天候時:50~70km/hへ規制されることも

一度100km/hで走っていたからといって、そのまま走り続けてしまうと規制区間に気づかず違反する可能性も。とくに夜間は標識の見落としに注意が必要です。

もし取り締まりを受けてしまったら

その場でどう対応すればいい?処分内容や反則金もチェック

うっかり速度違反で取り締まりを受けてしまったとき、どんな対応が求められるのか。知っておくことで、落ち着いて行動できます。

 まずは落ち着いて、指示に従う

取り締まりの場面では、焦って言い訳をするよりも、素直に指示に従うことが大切です。スピード違反の取り締まりは、

  • 覆面パトカーによる追尾

  • オービス(自動速度取締装置)

  • レーザー/レーダーによる計測

などさまざまですが、どの方法でも警察官の指示には冷静に応じましょう。

 違反内容の説明とサイン

その場で違反内容の説明を受け、反則切符にサインを求められます。納得いかない場合でも、「後日異議申し立てができる」という手段があるため、強く抵抗するのはおすすめできません。

 気になる点:反則金や点数は?

違反速度によって処分は異なります。

違反速度(一般道/高速) 反則金(普通車) 点数
15km/h未満超過 9,000円 1点
15~19km/h超過 12,000円 1点
20~24km/h超過 15,000円 2点
25~29km/h超過 18,000円 3点
30km/h以上(高速40km/h以上) 刑事処分(赤切符) 6点~

※一部地域や取り締まり状況により異なる場合があります。

 ゴールド免許にも影響が

「たった1回の違反でも、次回の免許更新でブルーになるの?」という疑問を持つ方も多いですが、答えはYES
速度違反の点数が少なくても、更新時期の違反歴は免許区分に影響するので注意しましょう。

まとめ

「高速道路の追い越し、何キロまでならOK?」は危険な誤解

「+10km/hまでは大丈夫」「流れに乗ればいい」といった話は、実際には取り締まりを免れる保証ではありません。速度超過が確認されれば、どんなに“少し”でも違反は違反です。

とはいえ、実際の交通状況では、周囲とのバランスを保ちながらの走行が求められるのも事実。安全を最優先しつつ、次のポイントを押さえておきましょう。

 運転時に気をつけたいポイント

  • 速度標識は必ず確認し、法定速度と混同しない

  • 追い越しは必要最小限、長時間の右車線走行は避ける

  • オービスや覆面パトカーの存在を意識しすぎず、安全運転を心がける

  • 「みんなそうしてる」は言い訳にならないと心得る

速度の“感覚”ではなく、事実とルールに基づいた運転を心がけることが、結果として自分や同乗者、周囲の人の安全を守ることにつながります。

「なんとなく大丈夫だと思った」が、重大な代償につながることもあります。
自分の運転を今一度見直して、安心して高速道路を走れるようにしましょう。

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