運転免許の更新といえば、通常は講習を受けて手続きを済ませるだけ…と思っていませんか?
実はある条件に該当すると「運転適性検査」を受けることになり、免許の継続に大きく関わる可能性があります。
特に高齢ドライバーにとっては、「認知機能検査」や「高齢者講習」だけでなく、この「運転適性検査」の存在が思わぬ落とし穴になることも。
今回は、「運転適性検査って何?」という基本から、対象者や検査の内容、結果が悪かった場合の対応方法までを詳しく解説します。
運転適性検査とは?
運転適性検査とは、警察庁や運転免許センターが指定する機関で行われる、ドライバーとしての判断力・集中力・反応速度などを評価する検査です。
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主な目的は、交通事故の防止と本人の安全確認。
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高齢者に限らず、事故歴の多い人や特定の条件に該当する人が対象となります。
どんなことを検査するの?
検査内容は以下のようなものがあります。
項目 | 内容 |
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動体視力 | 動いているものを見る力。高速道路などで必要。 |
反応速度 | ブレーキやハンドル操作にどれだけ素早く反応できるか。 |
判断力・集中力 | 信号や標識の認識、複数の情報処理能力。 |
認知機能 | 記憶力や見落としの有無を測定(高齢者向け)。 |
どんな人が対象になるの?
以下の条件のいずれかに該当する場合、運転適性検査を求められる可能性があります。
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70歳以上の高齢者で、免許更新時期を迎える人(特に75歳以上)
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一定期間内に交通違反や事故を複数回起こした人
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医師から「運転に支障をきたす可能性がある」と診断された人
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警察官が運転の不安を感じた場合に通告されるケースも
運転適性検査をパスできないとどうなる?
検査結果が「不適正」と判断された場合、以下のような措置が取られることがあります。
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再検査の指示
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運転に条件が付される(例:昼間のみ運転可など)
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免許の更新ができない
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免許返納をすすめられる
とくに高齢者の場合、検査の結果が家族の説得材料として使われるケースも少なくありません。
対策できる?事前にできる準備とは
「検査に落ちたらどうしよう」と不安になる人もいますが、次のような対策でリスクを減らすことが可能です。
1. 健康管理を徹底
睡眠不足や疲れは判断力を鈍らせます。検査前日から体調を整えましょう。
2. シミュレーターを使って練習
民間の教習所などで運転適性の模擬テストを受けられることがあります。体験しておくと心の準備になります。
3. 運転に自信がない場合は家族と相談
「返納」という選択肢も、人生の安全設計のひとつです。無理に維持することがすべてではありません。
若い世代も無関係ではない
意外と知られていませんが、20代・30代でも事故歴や違反が重なると運転適性検査を受けるよう指導される場合があります。
また、家族に高齢ドライバーがいる場合、一緒に制度について知っておくとサポートしやすくなります。
まとめ:免許更新は「義務」ではなく「安全の再確認」
運転適性検査は、免許を持つすべての人にとって、自分の運転能力を見直すよい機会です。
高齢ドライバーだけのものではなく、すべての世代が「自分の運転に責任を持つ」ための制度。
「通るかどうか」ではなく、「今後どう運転していくか」を考える機会にしてみてはいかがでしょうか。