「高速道路でエアコンを使うと燃費が悪くなるって聞いたけど、本当なの?」
そんな疑問を持ったこと、ありませんか?
夏のドライブではエアコンは必須。でも、燃費が気になる人にとっては、できるだけムダなガソリン消費は避けたいところですよね。
実は、エアコンは車の動力源であるエンジンに少なからず負荷をかけており、使い方によっては燃費に影響を及ぼすことがあります。とはいえ、条件によっては「そこまで気にする必要はない」という声もあるのが現実。
この記事では、
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高速走行時のエアコン使用が燃費に与える影響
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窓を開けた走行との違い
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実用的な燃費節約のコツ
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ハイブリッド車や電気自動車における注意点
などをわかりやすく解説していきます。夏場のドライブ前に、ぜひチェックしておきましょう!
高速道路でのエアコン使用、燃費にどれくらい影響する?
エアコンはエンジンに負荷をかける
カーエアコンは、車のエンジンパワーを使ってコンプレッサーを動かし、冷たい空気を作り出します。そのため、エアコンを作動させるとエンジンに追加の負荷がかかることになります。これはつまり、ガソリン(または電力)を余分に使っているということでもあります。
特に、エアコンを「強風」「低温設定」で長時間使っていると、その分だけ消費エネルギーも増えます。これはガソリン車だけでなく、ハイブリッド車やEVでも同様です。
エアコン使用による燃費悪化は「約5〜10%」?
実際の数値で見ると、エアコン使用による燃費悪化は5〜10%程度が一般的とされています。たとえば、燃費がリッター15kmの車であれば、エアコン使用時にはリッター13.5km〜14.2km程度まで落ちる計算になります。
ただしこれはあくまで目安で、車種やコンプレッサーの性能、外気温や走行状況によっても変わってきます。最近のエコカーやハイブリッド車では、エアコン効率が高くなっており、燃費への影響が小さく抑えられている車も多くなっています。
高速走行中はアイドリング時より効率的?
意外かもしれませんが、エアコンの燃費効率は「アイドリング中」より「走行中」の方が良いと言われています。これは、エンジンが一定以上の回転数で回っている方が、コンプレッサーの動作効率が上がるためです。
つまり、高速道路を一定速度で巡航しているときは、市街地をノロノロ走っているときよりも、エアコン使用時の負荷が小さい場合があります。
とはいえ、真夏の炎天下で車内が高温になっていると、エアコンがフル稼働するため、その分の消費エネルギーも跳ね上がります。走行前の換気や、日よけグッズの活用も重要なポイントになります。
窓を開ける vs エアコンをつける、どっちが燃費にいい?
「エアコンが燃費に悪いなら、窓を開ければいいのでは?」と思う方も多いでしょう。
実際には、走行速度や環境によって“窓開け”と“エアコン”のどちらが燃費に悪影響を与えるかは異なります。
高速では窓を開けると空気抵抗で燃費悪化
高速道路のような時速80〜100km以上の走行では、窓を開けることで車内に大量の空気が流れ込み、空気抵抗(ドラッグ)が大きくなります。
この抵抗を打ち消すために、エンジンはより多くの力を使わなければならず、結果的に燃費が悪化する要因となってしまいます。
実験データでも、「高速道路ではエアコンを使ったほうが窓開けより燃費が良い」という結果が出ているケースもあります。
低速(市街地)では窓開けのほうが燃費的に有利な場合も
一方、市街地などの低速走行時(40km/h以下)では、窓を開けても空気抵抗がそこまで大きくならないため、エアコンを使うよりも燃費への影響が少ないことがあります。
つまり、「エアコンを使うかどうか」は、走行速度や場所によって判断するのが理想です。
燃費の観点で見る「エアコンON vs 窓開け」の使い分け方
燃費重視で考えるなら、次のような使い分けが理想的です。
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市街地や信号の多い道では、窓開け+扇風機などでしのぐ
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高速道路では、窓を閉めてエアコンを適度に使う
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車内温度が極端に高くなる前に換気しておく
もちろん、気温・湿度や体調も考慮するべきですので、「燃費のために我慢する」ことは本末転倒。
無理のない範囲で、うまく使い分けることがポイントです。
エアコン燃費を節約するための工夫
カーエアコンの燃費への影響はゼロにはできませんが、ちょっとした工夫で無駄を減らすことは可能です。以下では、すぐに実践できる節約術を紹介します。
出発前に車内を換気しておく
真夏の炎天下に駐車しておくと、車内温度は50℃を超えることもあります。この状態でいきなりエアコンをつけると、一気に冷やそうとしてコンプレッサーがフル稼働し、燃費が大きく悪化します。
出発前にドアや窓を開けて熱気を逃がしておくだけで、車内温度はグッと下がります。これにより、冷却効率が上がり、エアコンの負荷を減らせるのです。
「風量」や「設定温度」をこまめに調整する
冷えたらすぐ「強風→弱風」に切り替える、あるいは設定温度を**「最低」ではなく「25〜27℃」程度**にしておくことで、コンプレッサーの稼働を抑えられます。
特にオートエアコンでは、「全開冷房」が続いていることに気づかないまま、燃費が悪化しているケースもあるため、こまめな調整が効果的です。
「内気循環」モードを活用する
エアコンの「外気導入モード」は、外から熱い空気を取り込んでしまうため、冷やすのに時間とエネルギーがかかります。
一方「内気循環モード」は、すでに冷えた空気を再循環させるため、エアコンの効きが早く、省エネにもつながります。
ただし、長時間の内気循環は酸素不足や窓のくもりを招くこともあるため、適度に外気導入に切り替えるのもポイントです。
日よけやサンシェードを併用する
フロントガラスにサンシェードを設置したり、リアガラスにカーテンをつけるだけでも、直射日光を和らげ、車内温度の上昇を抑えることができます。
とくに夏場は駐車中の「熱のこもり対策」が大きな差を生みます。結果的に、エアコンの立ち上がり効率が良くなり、燃費にも好影響が出てきます。
ハイブリッド車・電気自動車の場合はどうなの?
カーエアコンの燃費(=エネルギー消費)は、車の動力源がガソリンか電気かによっても大きく変わります。ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)では、どのような影響があるのでしょうか?
ハイブリッド車は「エンジン」と「モーター」両方が関与
ハイブリッド車の場合、エアコンは主にエンジン側で稼働する仕組みが多いため、エンジンが停止していてもエアコンを使うと再始動することがあります。
そのため、アイドリングストップ中でもエアコン使用中は燃費が落ちると感じるケースがあるのです。
とはいえ、最近のハイブリッド車では電動コンプレッサーを搭載しているモデルも多く、燃費への影響は少なめになってきています。
EV(電気自動車)は電力消費量に直結する
電気自動車の場合は、エアコンの使用がそのままバッテリーの消費量に直結します。
たとえば真夏に長距離移動する際、エアコンを強く効かせると走行可能距離が短くなるというリスクもあります。
ただし、こちらも車種によって差が大きく、テスラなどの高性能EVでは熱効率の高いヒートポンプ式エアコンを搭載しており、電力消費を抑える工夫が施されています。
いずれにしても「効率的な使い方」が大切
ハイブリッド車でも電気自動車でも、エアコンを「必要なときだけ効率よく使う」ことが、省エネ走行のカギとなります。
特にEVでは「急速充電スポットが遠い」などの不安もあるため、温度管理と電力残量のバランス感覚が求められるでしょう。
まとめ:快適さと燃費のバランスを考えて使おう
高速道路でのエアコン使用は、たしかに燃費に影響を与えますが、その影響は条件次第で大きくも小さくもなるというのが実際のところです。
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高速走行中は空気抵抗が増えるため、窓を開けるよりエアコンの方が燃費的に有利な場合もあります。
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一方で、エアコンの使い方によって燃費悪化を防ぐ工夫も十分に可能です。
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出発前の換気や内気循環の活用、設定温度の調整など、ちょっとした心がけが燃費節約につながります。
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また、ハイブリッド車や電気自動車では、ガソリン車とは異なる注意点や使い方の工夫も必要です。
エアコンを使わずに我慢するのではなく、「快適さ」と「燃費のバランス」を考えた賢い使い方を意識することが大切です。
今年の夏も、効率よく快適なドライブを楽しみましょう!