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クルマのブレーキ

クルマの仕組み
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クルマのブレーキ

クルマを止めたり、減速させたりするブレーキ。クルマのブレーキには大きく分けて三種類あります。※以下の三種類のほかに、大型車の排気ブレーキや、EV車の磁力を使う電気式制動装置等がありますが、ここでは割愛します。

フットブレーキ

足でペダルを踏むブレーキで、走行中のクルマを減速させたり、停止させるための制動装置といいます。

ブレーキペダルを踏むとブレーキがかかり、減速させることができます。この、ブレーキを踏む力を意識したことがあるでしょうか。ほんの少し足に力を入れただけで1トン以上あるクルマが止るのです。これは人の足の力だけでは4輪のブレーキを効かせることはできません。実はエンジンの発する負圧という力を借りているのです。負圧の力をブレーキブースター(倍力装置)に取り入れ、ブレーキオイルを介して各車輪についたブレーキ装置に力を伝達しています。ですので、走行中にエンジンが止ってしまうと、ブレーキペダルはパンパンに硬くなり、踏んでもブレーキは効かせられません。

フットブレーキには以下の種類があります。

ディスクブレーキ

ディスクブレーキは、車輪と一緒に回転するディスクと、そのディスクを挟むようにして摩擦を発生させ、車を停止させるブレーキパッドから成り立っています。

メリット:

  1. 優れた冷却能力: ディスクブレーキは開放式であるため、熱が逃げやすく、過熱しにくいです。
  2. 湿気の影響を受けにくい: 水たまりなどを通過した後でも、ブレーキの効き目が回復するのが早いです。
  3. 長期間にわたる性能維持: 一般的に摩耗に強く、長期間にわたって効果的なブレーキング性能を提供します。

デメリット:

  • コスト: ディスクブレーキは、ドラムブレーキに比べて製造やメンテナンスコストが高い傾向にあります。

ドラムブレーキ

ドラムブレーキは、車輪に固定されたドラムの内部にブレーキシューがあり、ブレーキペダルを踏むとシューがドラムの内壁に押し付けられ、摩擦によって車を停止させるシステムです。

メリット:

  1. コスト効率: ドラムブレーキは、製造とメンテナンスが比較的安価です。
  2. 構造が単純: シンプルな構造のため、一部の通常のメンテナンスは自分で行うことができます。

デメリット:

  • 熱処理能力: ドラムブレーキは閉鎖型であるため、熱がこもりやすく、長い下り坂などでブレーキが過熱しやすいです。
  • 湿気の影響: 水がドラムの中に入ると、ブレーキの効きが悪くなる可能性があります。

まとめ

ディスクブレーキとドラムブレーキには、それぞれ利点と欠点があります。一般的はディスクブレーキは前輪に採用され、ドラムブレーキは後輪に採用されています。また、四輪ともディスクブレーキを採用している車種もあります。 どちらのシステムも、適切なメンテナンスと使用方法を守ることで、安全に運転する上で効果的なブレーキング性能を提供します。安全なドライビングには、車のブレーキシステムの理解が不可欠です。

サイドブレーキ(パーキングブレーキ)

駐車時にレバーや足で踏むブレーキです。クルマの停止を維持するためのブレーキです。このサイドブレーキは、フットブレーキの様にエンジンの力は必要とせず、ワイヤーで機械的に後輪のブレーキを効かせます。

かなり古いクルマでは、冬場にサイドブレーキのワイヤーに水が染みこんで、駐車中に凍り付いてしまい、サイドブレーキが戻らないというトラブルがありました。現在のクルマにはそのような心配はありません。

エンジンブレーキ

エンジンの力を利用して効かせるブレーキです。

エンジンブレーキはエンジンにブレーキがついているわけではなく、エンジンがブレーキ代わりになるという、仕組み、現象のことです。作動させるには、走行中にアクセルを戻せばエンジンブレーキがかかります。さらに、変速ギヤを下げればさらに強くブレーキがかかります。理屈としては、下り坂ではタイヤは高回転で転がります。一方でエンジンはアクセルを戻すと、アイドリング回転まで下がるのですが、タイヤが高回転するため、強制的にエンジンが回されて、タイヤとエンジンがお互いに逆の作用をしている訳です。長い下り坂などで フットブレーキばかり踏んでいると、ブレーキ装置が高温になりすぎてブレーキ効かなくなってしまいます。そこで、エンジンブレーキを併用すると安全に減速できます。

ABS(アンチロックブレーキシステム)

ABS(Anti-lock Braking System)は、フットブレーキに備えられたシステムです。雨や雪で路面が滑りやすい状況で、ブレーキをかけた際に、タイヤをロックせずに動力を調整し、スリップを防ぎ、車を制御可能にするシステムです。

スリップを感知するとブレーキペダルを踏み続けていても機械がポンピングブレーキをかけて、スリップを防ぎます。そのときにブレーキオイルの反動がペダルに跳ね返って、「ガガガー」という音がします。これは初めての人はビックリすると思います。

スリップしなければ、作動しませんので、故障か正常かの判断はつくと思います。ブレーキに異常があればメーターパネルのところの赤いランプが点き、異常を知らせてくれます。

まとめ

エンジンが止ってしまうとフットブレーキは効かなくなります。
フットブレーキにはディスクブレーキとドラムブレーキがあります。
長時間フットブレーキを踏み続けるとブレーキが高温になり、効かなくなります。
長い下り坂などでは、エンジンブレーキを使いましょう。
ABSが作動するとブレーキペダルに反動があり、「ガガガッ」という音がしますが、故障ではありません。
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