なぜ左折時に外側に膨らむのか？車の「あおりハンドル」の原因と対策

車が左折する際に外側に膨らむ現象、通称「あおりハンドル」は、見たことがある人も多いでしょう。

特に交差点で、対向車が左折ウインカーを出しながら道路中央に寄る動きをして、急に左折してくる光景は驚くことがあります。

このような膨らんで左折する行為が頻繁に見られるのには特定の理由が存在します。

この記事では、車が左折時に外側に膨らむ「あおりハンドル」がなぜ発生するのか、その理由と対処方法について掘り下げて解説します。

左折時に車が外側に膨らむ主な5つの理由

交差点で左折する際に、一時的にハンドルを逆方向に切る「あおりハンドル」は、危険かつ不快な運転行為としてよく目にします。この動作は、他のドライバーにとって非常に危険であり、避けるべき行為です。

では、なぜ多くのドライバーが左折時に車を膨らませてしまうのでしょうか？ここではその理由を5つ挙げて説明します。

理由1: 不十分な減速

「あおりハンドル」の最も一般的な原因の一つは、不十分な減速です。

交差点での左折時には、安全に停止できる速度、つまり「徐行」が求められます。これは時速約20km以下を意味します。しかし、十分に速度を落とさないで左折を試みると、車は予想より大きな半径で曲がることになります。

一部のドライバーは、左折を容易にするためにわざと右にハンドルを切ってから急激に左に切るという方法を選びます。これが、不適切な「あおりハンドル」につながることが多いのです。

理由2: 左側の接触を怖がっている

最近の車は安全性を高めるために設計されている一方で、車体が大きくなっていることから助手席側の視界が制限されることがあります。このため、ドライバーは助手席側の障害物に接触するのではないかという不安を感じることがあります。

この恐怖から、ドライバーが車を一旦逆方向に振ってから左折する行動に出ることがあります。これは、単に外側に振るのではなく、交差点の角から十分に距離を取ろうとする心理が働いています。このような動作は、あおりハンドルの一因となり、安全運転に反する行動です。

理由3: 「かっこよく見せたい」という心理

特に古い世代のドライバーの中には、「かっこよく見える」という理由であおりハンドルをする人がいます。彼らは、一度逆方向にハンドルを切ってから急激に曲げることで、映画やテレビで見るようなドラマチックな運転を模倣しようとすることがあります。

しかしこのような行為は、公道上での運転としては極めて危険であり、他の交通参加者にとっても不安を感じさせる行動です。公道はレーストラックではないため、運転は常に安全第一で行うべきであり、見栄や見せびらかしのためにリスクを冒すことは避けるべきです。

理由4: ステアリング操作のタイミングの遅れ

あおりハンドルが発生するもう一つの原因は、ハンドルを元に戻すタイミングが遅れることです。特に、ハンドリングに自信がないドライバーや運転が不慣れな人は、急なハンドル操作に対して恐怖を感じることがあります。これにより、適切なタイミングでハンドルを戻さず、予定した軌道よりも外側に膨らむ形で曲がってしまいます。

このような状況は、特に交差点でセンターラインを越えて対向車線に進入してしまうリスクがあるため、非常に危険です。ハンドルの操作は慎重かつタイムリーに行うことが、安全運転の基本です。

理由5: 片手運転による制御不足

「あんちゃん乗り」と呼ばれる片手運転も、左折時に車が外側に膨らむ原因の一つです。両手でハンドルをしっかりと握ることが、スムーズかつ正確な車の操作を可能にします。しかし、片手だけでハンドルを操作すると、必要な力加減や精度を欠きがちになります。

このため、左折時にはハンドルをスムーズに回すことが難しく、適切なタイミングでの戻し動作が遅れがちになります。これが左折時に外側に膨らむ原因となることが多いので、運転中は常に両手でしっかりとハンドルを握ることが推奨されます。